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【アニメ】いぬやしきがよかった【ネタバレ】

アマゾンプライムで今配信中のいぬやしきレビュー。

もともと漫画は毎週、最後まで読んでいるのだけれど、もともと立ち読みというものはよっぽど気に入った漫画でないと感情移入がしづらいのか、ストーリーの記憶も細切れなのか、何だかぶっ飛んでるなあというくらいの感想で、そこまで心動かされるところがなかった印象。

これが知人のお勧めで見てみたこのアニメ版、とてもよくできていて一気に全11話みてしまいました。

ストーリー

58歳のおじさん、いぬやしきいちろうさんが主人公。なぜだかやたら老けていて見た目は80くらいにも見えそう。気弱で、家族の中でもあんまり尊敬されていない感じだけど、温和でとても優しい。そして正義感がとても強いけど、弱いおじいちゃんなので街で悪いことしてる人たちに対しても何もできない日々に悶々している。

1話でいきなりガンが発見され、余命があんまりない感じになり悲しんでいたところ、突然意味不明な宇宙っぽい誤爆にて死にそうになるも、宇宙人的にはうっかり殺しちゃった感じ(やめろよ)だったので機械の体として蘇る。

性格はそのままなので、正義感や優しさに従い、運動とか全くできないおじいさんのまま、ヒーローとして人を救っていく。その中で自分の存在価値を見出して行く。

 ああこれめっちゃいいアニメだな、、と思ったとこ

途中もいちいち良いんですけど、終盤、10話がすごい良いんです。

最初から出ていたもう一人の機械の体を持った少年、シシガミとのようやくの対決。どっちもただの人間だったのに、力を持ってしまって、「人としての実感」を失った後に起こしてきた行動が対比を持っていて、それを自覚したシシガミの涙が切ない。

きっと、他に選択肢はなかったと彼は思っていて、でも違う選択肢を、一時的に選んだけど自分のせいでうまくやりきれなかった選択肢を選んだじいさんがいることが悔しくて悲しかったんだろうなあと思う。

この二人の差は、いぬやしき自身が語っていたように、過ごしてきた人生の中で思ってきたことから生まれているんだろうな、と思う。

 

そしていぬやしきの「ばんっ」がいい。

漫画版ではこの辺あんまり意識してなかったけど、彼は今まで自分の意思で銃を撃たなかったんだなと気づいた。救うために、邪魔する奴を退けるためのばん。かっこいい。

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 11話もすごい良いんだ。最終話。ちょっとテンポが早い気がするけど、とても切ないです。

その他良かったところ。

  • いぬやしきおじいさんの声がいい。なんか声優さんが合わないどうたらこうたら言われてたような気もするけど、あの声いいですよ。声量小さめで、控えめでいかにもいぬやしきな声ですごく好き。
  • ちょうどいい長さ。全11話。年末年始に風邪ひいてまして、寝込んでいた期間が長めだったのでアマゾンプライムと過ごしていた期間が長めでした。漫画版は10巻くらいなので、そこそこ細かい描写はカットされているのだけど、いいテンポで話が進む。
  • 悪い人がめちゃ怖い。ヤクザ。オヤジ狩りの少年たち。そしてシシガミくん。何かと殺しまくる。この人の漫画はガンツもそうだけど、現実世界に突如現れる非日常が舞台なので、「もしもこれが現実になったら、、、」という想像をついついしてしまう感覚がある。工夫なく、知らない家に普通に入っての殺害。2chから電脳世界を通じての殺害。(理論的なことは考えずにとにかく怖い。)ストーリー知ってるはずなのに怖い。アニメで初めて見る人はもっと怖そう。。

 

アマゾンプライムに入っていて、アニメなんとなくみたい、、、という人には是非!